こんにちは!韓国ソウル大学に留学中のりんかです。
今年で4年生になるので、日本の大学では足りない単位を埋め、卒論の準備をし始める時期かと思うのですが、私はこの時期になってまた新たに学んでみたいことを見つけてしまったので………..卒業はまだ先かなというところですhaha😅
今回のテーマは韓国の大学独特のシステムとも言える「複数専攻(복수전공)」になります。
ソウル大学の専攻履修制度を基にまとめていくのですが、多分どこの大学でも似たようなシステムかと思うのでよかったら参考にしてみてください〜!
複数専攻って何?
日本ではあまり聞かない複数専攻という言葉ですが、海外大学ではかなりメジャーなシステムらしく、アメリカの大学などでは主にダブルメジャーなどと呼ばれているみたいです。
簡単に説明すると、大学で2個以上の専攻を履修することを複数専攻と呼びます。
単純に他の学科の専攻授業を取るのとは違い、該当する学科のカリキュラムに従って必須専攻科目、選択専攻科目の単位を埋めて卒業するため卒業証書にも複数専攻を履修した事実が記載されます。
例えば心理学科が主専攻の学生が経営学科を複数専攻したなら、卒業証書には心理学士と文学士の二つの学位が記載されることになります。
複数専攻・副専攻の違い
最初にもお話しした通り私は今年から消費者学科を副専攻することにしたのですが、この副専攻は複数専攻と何が違うのという疑問が沸いてきますよね?
一言でまとめてしまうと、自分の主専攻ではない他の専攻を主専攻と同じぐらい深く学ぶのが複数専攻、他の専攻を主専攻よりは軽く勉強するのが副専攻です。複数専攻の方が副専攻より大変だと思っていれば大丈夫です。
ソウル大の場合だと
複数専攻:複数専攻している学科の専攻授業を39単位以上履修、卒業論文作成
副専攻:複数専攻している学科の専攻授業を21単位以上履修
という風に、取得する単位数が18単位も違い、複数専攻は卒業論文の作成も必要になってくれるため、副専攻に比べかなり負担があるものになっています。
その他の専攻履修制度
多くの学生は上で紹介した複数専攻・副専攻を取っていることが多いのですが、ソウル大学はこの他にも連合専攻(연합전공)・連携専攻(연계전공)・学生設計専攻(학생설계전공)などの制度を設けています!
連合専攻(연합전공)は2つ以上の学科が合わされ新たに作られた専攻で、入学時には選択することができず、入学後に複数専攻制度の一環として履修することができる専攻になります。
例えば、国文学科・宗教学科・歴史教育学科などが融合されて一つの専攻として設立された「東アジア比較人文学」という専攻や言論情報学科・心理学科・デザイン学科などが融合された「情報文化学」とういう学科があります。
(ちなみに私はこの情報文化学を履修してみたくてポートフォリオや面接の準備を始めているところです。)
連合専攻が一つの学科として存在しているのに対し、連携専攻(연계전공)は学科があるのではなく主専攻とは違う複数の学科の授業から気になる授業を選択し21単位受講することになります。
例えば「脳-心-行動」という連携専攻は心理学科・言語学科・生命科学学科・哲学学科・コンピューター工学学科・統計学科の授業の中から21単位を履修します。
「学生設計専攻(학생설계전공)」は名前通り学生が自分で専攻を設計するものになります。連合専攻や連携専攻に自分の興味を満たす専攻がない場合にこの設計専攻に挑戦する学生が多いです。専攻名から履修する授業まで全て自分でカリキュラムを組むことになるので根気が必要な専攻ではあります!
私の友達の中には人工知能と音楽を融合させたAI音楽専攻や宗教と心理学を融合させた宗教心理学などの専攻を自分で作ってやっている人もいます。
ソウル大の専攻制度についてはこのサイトから確認できます。
複数専攻の単位数
複数専攻をすると必要な単位数が2倍になっちゃうの?と心配になる方がいるかもしれませんが、そんな心配はご不要です‼️
基本的には複数専攻をする場合はその分主専攻の必要単位が減るため合計した時に卒業単位が大きく変わることはありません!
主専攻だけ専攻する場合:主専攻60単位履修
複数専攻:主専攻39単位+複数専攻39単位→合計78単位
副専攻:主専攻39単位+副専攻21単位→合計60単位
連合専攻:主専攻39単位+連合専攻39単位→合計78単位
連携専攻:主専攻39単位+連携専攻21単位→合計60単位
学生設計専攻:主専攻39単位+学生設計専攻39単位→合計78単位
基本的に副専攻と連携専攻の場合は主専攻だけを専攻する場合と取得単位が全く変わりません。一方複数専攻・連合専攻・学生設計専攻の場合は主専攻だけを専攻する場合に比べ18単位多いため少し負担が増えてしまいます。
複数専攻をすると卒業が遅くなる?
複数専攻をすると卒業が遅くなりそうな感じがしますよね?
単刀直入に言うと、、、複数専攻(服専攻やその他の履修制度も含めて)を履修すると基本的には卒業が遅くなります。ソウル大で複数専攻をしている人は平均1年追加で通っている印象です。
もう少し正確に言うと早めに複数専攻を決めて、早め早めに準備を始めていれば4年で卒業することも可能です!ただ、大学に入学する前は「この専攻を複数専攻しよう!」と決めていても入学してから他の専攻に興味ができたり、複数専攻を始めてから自分とは合わなくて他の複数専攻に変えたりする場合がとっても多いので現実的には卒業前に5年はかかってしまうわけです。
実際に私も大学に入学する前は「脳-心-行動」という連携専攻をする気満々で、志願時の修学計画書にも書いていたぐらい情熱的で、実際に2年生に進級するタイミングで連携専攻を始めたのですが、思ったよりも開かれる授業が少ない&本当に神経科学が学びたいのか分からなくなってしまい諦めてしまいました💦
ただ、心理学科は開設されている授業が少ないので心理学専攻だけでは卒業に必要な単位を埋めることができず、、、悩みに悩みを重ねた結果「消費者学科」と「児童家族学科」の二つを副専攻として申請したもののいまだに確信を持てていない状況です😅
私の周りでも複数専攻を始めた後に「あれ、これ違うな?」となってしまったり、希望していた授業が開かれなかったりして(ソウル大はカリキュラムにはあるのに開かれない授業が本当に多い!どうにかしてほしい💢)二転三転して4年生になってから新たな複数専攻だったり連携専攻を始める友達が多いです。
複数専攻に苦労している私からのアドバイス(?)
4年生になってもまだまだ複数専攻に悩んでいる迷える子羊先輩として僭越ながら(?)アドバイスをさせてもらうと、
複数専攻は早め早めに考えて、とにかく情報をいっぱい集めよう‼️でも焦りすぎずに本当に自分のやりたいことをやろう‼️
です。
複数専攻は申請も1学期前に事前にやる必要があったり、申請に必要な条件が多かったりと、実際に始まる前に1年ぐらいかかってしまうので何よりも早く考え始めるのが鍵です🔑
でも!いくら考えても途中で考えが変わっちゃうこともあるし、やってみて自分と合わなかったりもすると思うんですよ。だから焦らずに時間をかけてじっくり悩んで、大学という場所を最大限活用して学びたいことを思う存分学んでほしいです‼️(自分へのメッセージでもある…)
ちなみにソウル大学には전공설계지원센터という専攻に関する相談をしてくれる場所があって、私も一度利用したのですが、思ったよりも自分の興味関心や進路まで親身に聞いてアドバイスをしてくれて助かりました。
他の大学にも似たようなサービスが準備されていると思うのでぜひ活用してみてください!
ソウル大での日常が気になる方はこちらの記事も読んでみてください〜!
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